挙句発酵

おれが慾をかいて買いすぎたおにぎりを恵まれない黒人たちに分け与えられたら、どれだけ素晴らしいだろう。海苔はあまり腐らないだろうが、米やシーチキン、鮭などは、確実に腐食が進んでおり、おれに食べられるために殺され、引き裂かれ、味つけまで為された食物は、とても食いえぬ美味しくもなければ栄養もない汚物に変容していく。その間、ガリガリに瘦せ細り、益々色黒になっていくアフリカのガキ共は明日の命を心配しながら眠りに就く。碌に教育も受けてない彼らの両親は、毎日必死で働いて、それでも満足に食べることは能わない。黒人の自殺というのは聞き慣れないが、それはおそらく彼らが自殺を思う暇もなく無惨にくたばっているからであり、自殺なんてものは結局裕福な者に与えられた自由の象徴でしかないのだ。この頃、中央線が止まり、待ちぼうけを食らうことが増えた。なんでも慾求不満の女共に、あらぬ痴漢を訴えられて、そのまま線路内に逃走し快速列車に撥ねられてしまう事故が多発しているらしい。笑けるぜ。この人痴漢です! って、それが事実かどうかは知らないが、その文言、どうかね。おれはもっと切羽詰まった悲鳴の方が、祭りみたいで楽しいと思う。それを、この人痴漢です! って、挨拶じゃないんだから。

「実際、追い詰められると混乱して悲鳴なんて滅多に出ないのよ。そういう決まり文句があった方が、勇気が出て叫びやすいものなの。」

「言葉が見つからないなら黙っていればいいのに。声なき声…… 勝手だね。」

「あなた、男だからそんな無責任なこと言えるのよ。実際、痴漢されたら、どんな気持になると思う? 人の気持も考えてみたらどうなの。」

「痴漢されたら、そりゃ、苦しいだろう。それくらいは分かるよ。」

「じゃあ、もうちょっと気遣ってあげてもいいんじゃない。実際にそういう目に遭ってる子もいるわけだし。」

おれは動物園で猿山を見ると、自分がこいつらに較べて格段に進歩していて、何倍も優れていることに気がついてうれしい思いがするのだ。

水族館でもそう。亀が特にいいよ。あとイルカ。ショーなんかで、水面から跳ね上がって空中の玉を突くところなんか、人間の悪心がよく表れてて最高な気分になる。亀の方は、なんとなくいいのだ。母性的で、惹かれるというか。

亀といえば、ドラゴンボールの一巻で、未成年のブルマが初対面の亀仙人と連れの海亀に向かって性器を露出する場面、あれは忘れられないね。あの無頓着な格好がいじらしくてたまらないんだ。

既に腐りきってしまったおにぎりには無数のハエがたかり、同様に餓死した黒人の死体にもハエがたかっている。痴漢された女や、無知なフェミニストの死体にも、そろそろウジが湧く頃だ。

ところで、猿やイルカも自慰をするって知ってる?

「下品なこと言わないでちょうだい。ご飯が不味くなるでしょう。」

ハエが雲集し、ナマコのようになった女が言う。

その横で、安っぽい弁当を片手に労働者が頷く。