2016-01-01から1年間の記事一覧

イエロウ

鬼という鬼が例外なく黄色になり、恰好がつかなくなってしまった。鬼は人々の笑いものになった。あれほど我々に怯懦していた弱虫どもが、我々のカラダの色が変わったからといって、なぜあれほどに威張れるのであろう。鬼たちは一様に、自らを鏡でとり囲み、…

熊のコダワリ

こうじゃあ、いけないよなあ。おれが尋常の通り山道を歩く。人とバッタリと出くわす。あまりに唐突なことで半狂乱。食らう。こうじゃあ、いかん。どうしてかは分からんけど、ちょっと具合がわるいよなあ。おれがサッサと山道を歩く。人とバッタリ出くわす。…

狂人演説

人間は考える葦であるという。葦であるわけはいまひとつ思いつかないが、人間は考える葦であるという言葉には、そういうならそうなのであろうと納得してしまうような迫力がある。あまりジタバタしない方がいいぞと、アイスピックと包丁と果物ナイフを一斉に…

啞のフリする娘っ子

虎を見せろ。虎を見せろよ。赭顔酩酊の如く、太陽のような禿頭の老体が、そういって柳眉をデタラメに曲げた娘に肉薄している。虎を見せろってば。いい加減虎を見せてくれてもいい頃合いだろう。赭顔窒息の如き老人、そういう。娘はもはや柳眉とすらも言い難…

チャイニーズ・アクション・ファン

今年の夏は凡百の事件が起こっていて、油断がならぬ。先ず、外国の人が皆んな、せーのでくたばった。混血児は、まだ見てないから、状態は分からぬが、おそらくハーフなら半分死に、クォーターなら四分の一死んだのだろう。なぜ、日本人以外が息絶えたのか、…